チャップリンが始めてトーキーを(音声映画)作った。それがこの作品。ヒトラーの演説の真似などがとても面白い。しかしそれだけではなく、最後の場面ではとても素晴らしいことを言っている。高校の英語の教科書にのっているので、それを契機に見た学生もいました。
「独裁者」を見て、平和について考える。おすすめ度
★★★★★
「独裁者」はもともと、チャップリンのもう一つの代名詞、サイレント時代とはまた別のチャップリンである。後期チャップリン・・・。ま、こんなわけ方はいいとして、チャップリンは、初期のころからズッコケというかスラプスティクな、ユーモアのある映画作家・・・。でも、チャップリンの映画はどこか違うんだな。今観ても、印象に残るものばかり・・・。永遠のテーマである、ユーモア、貧しさ、涙・・・。ですから、チャップリンの映画は、どれも平均点が高い。
「独裁者」もそうだ。そこのプラス、平和の理念を織り交ぜた、ということに成功している。流れはオーソドックス、ズッコケもオーバーになったくらいで、チャップリン一流のあのスタイルは変わらない。唯一、輝かしい理由は、やはり平和を織り交ぜたことである。
しかし、この世界が、作られたフィクションであり、実際は『夜と霧』が現実であったことが悲劇であるとするならば、改めて、平和とは、どうあるべきか、互いが努力しあいながら、よりよく創らなくてはならない、といったメッセージ性を込めた演説を、恋をした女性にあてている感動的なショットは、この映画が世界に伝えるべき、フィクションではない、唯一の本質であると思った。
星は、個人的には6点です。
概要
チャップリンがヒトラーを戯画化し、ヒューマニズムを謡い上げた作品。記憶を失なった床屋が、軍の迫害を逃れながらも生き抜いていると、ある日独裁者に間違われ…。チャップリン扮する独裁者が、地球が描かれた風船と戯れるシーンはあまりにも有名。
内容(「Oricon」データベースより)
ヒットラーのナチスがドイツで、黒い手を世界にのばし始めた頃、そのファシスト独裁者を痛烈に批判した勇気ある作品。お馴染みの「放浪者スタイル」を捨て、独裁者と記憶を失った理髪師のニ役を演じている。ラストの大演説シーンで、初めて喋るチャップリンの姿は必見。